屋根点検をドローン・カメラで依頼する費用相場を説明

「突然訪問してきたリフォーム会社に屋根の劣化を指摘された」「修理を提案されたけど、本当に必要なのかな？」そう不安に感じて他の業者に屋根の点検を依頼しようとしていませんか？
訪問販売業者に屋根の劣化を指摘された場合、虚偽の劣化報告、不必要な工事を提案されることがあるため、絶対に鵜呑みせずに他の業者に点検を依頼する方が安全です。

そこで、この記事では屋根修理の専門業者に屋根の点検を依頼する基礎知識について解説します。
屋根点検が必要なケースや実際の費用相場まで、屋根の点検を依頼する際に知っておくべき事前知識についてまとめています。

また、お手軽にできるドローン・カメラを使用した点検の費用やメリット・デメリット、従来の点検方法との比較もご紹介します。

屋根点検の重要性とそのタイミング

屋根の劣化を早期に発見し、適切に対処することで、雨漏りの危険を未然に防止し、建物の資産価値を適切に保存することができるようになります。そのため、定期的に屋根の点検を行なうのは非常に大切なことです。

しかし、屋根点検は費用が発生することもあり、どうしても先延ばしにしてしまい、雨漏りが発生してから屋根の不具合に気がつくケースが圧倒的に多いのが現状です。屋根の劣化を放置すると、雨漏りや構造材の腐食、さらにはシロアリ被害など、住宅全体に深刻なダメージを及ぼす可能性があります。まず始めに、雨漏りの危険や屋根の不具合を最小限に食い止めるために、屋根点検を行なうべきタイミングや必要なケースについてまずは見て行きましょう。

この章では、屋根点検がなぜ重要なのか、そしてどのようなタイミングで点検を検討すべきかについて詳しく解説します。

訪問販売業者に屋根の劣化を指摘された場合

「お宅の屋根が傷んでいますよ」「無料で点検します」といったように、訪問販売業者に屋根の劣化を指摘され、修理を提案された場合、安易に契約を結んだり、点検を依頼したりすることには注意が必要で、他の業者に屋根の点検を依頼して、屋根の適切な劣化症状を把握することが重要です。「瓦がずれていますよ」と屋根の劣化を指摘されて、「雨漏りがしているので屋根の葺き替えが必要です」と高額な屋根リフォームを提案された場合、不必要な屋根工事を提案されている可能性があります。そのため、訪問業者の提案は鵜呑みにせずに、屋根修理専門業者に再度、屋根点検を依頼して、正確な劣化症状を確認することが重要です。 （参考：国民生活センター「訪問販売による屋根工事トラブル－工事の必要性や見積もりをよく確認しましょう－」）

ドローンによる屋根点検であれば、屋根に上ることなく、高画質な映像で屋根の状態を正確に記録できるため、不必要な工事の判断材料として非常に有効です。

築年数が経過して１度もメンテナンスをしていない

屋根材にはそれぞれ耐用年数があり、どんなに高品質な屋根材でも時間とともに劣化は避けられません。特に、築10年以上が経過し、一度も屋根のメンテナンスや点検をしていない住宅は、目に見えない部分で劣化が進行している可能性が高いです。

特に日本瓦は耐用年数（寿命）が50年〜80年長期的でメンテナンスが必要ないため、30年以上メンテナンスや点検がされない屋根も多いです。屋根材自体は劣化していなくても、漆喰が劣化して剥がれていたり、瓦がズレているなどの小さな劣化症状が発生しているケースがほとんどです。 このような小さな劣化症状であっても、屋根の防水シート（ルーフィング）が劣化したタイミングで雨漏りが発生するようになるので、築30年が経過し、1度もメンテナンスをしていない場合は、屋根点検が必要です。

そのほか、主な屋根材の一般的な耐用年数は以下の通りです。

これらの耐用年数はあくまで目安であり、立地環境や日当たり、風雨の影響などによって劣化の進行速度は異なります。定期的な点検により、早期に劣化を発見し、適切なメンテナンスを行うことで、屋根の寿命を延ばし、将来的な大規模修繕費用を抑えることができます。

台風や地震などの自然災害後

日本は台風や地震、豪雨など、自然災害が多い国です。これらの災害は、普段は丈夫に見える屋根にも深刻なダメージを与える可能性があり、台風や地震などの自然災害後は屋根点検をおこなった方が安全です。強風による飛来物の衝突、瓦のズレや破損、雨樋の変形、ひび割れなど、目視では気づきにくい被害が発生しているケースも少なくありません。

日本で7割の普及率のあるスレート屋根は、屋根のてっぺんの棟板金が浮いてしまう不具合が多発します。 この状態を放置すると、棟板金が飛散したり、捲れるなどの不具合が発生するため、点検を行った方が安心です。 また、瓦屋根は棟瓦がズレや瓦のズレが生じます。

災害後の屋根の被害を放置すると、棟の倒壊などで雨漏りや部材が落下して近隣の住宅を傷つけたりという二次被害に繋がり、より建物の構造自体を傷めてしまう恐れもあります。特に、屋根に上っての点検は危険を伴うため、ドローンを活用した安全かつ詳細な点検が有効です。

また、自然災害による屋根の損害は、火災保険の補償対象となる場合があります。保険申請には、被害状況を客観的に証明する写真や診断報告書が必要となるため、災害後は速やかに専門業者による点検を受け、必要な書類を準備することをおすすめします。（参考：日本損害保険協会「火災保険に関するQ&A」）

災害後、少しでも屋根に異変を感じたら、あるいは何も感じなくても、念のためドローンによる屋根点検を検討し、早期に被害を発見・修繕することで、ご自宅の安全と資産価値を守りましょう。

ドローンによる屋根点検とは？その特徴とメリット・デメリット

近年、屋根の点検方法として注目を集めているのがドローンを活用した点検です。高所に人が登る必要がなく、専用のカメラを搭載したドローンが屋根の上空を飛行し、詳細な映像を撮影することで劣化状況を確認します。従来の梯子や足場を使った点検に比べ、安全性や効率性、記録性において大きな優位性を持つ一方で、いくつかの注意点も存在します。

ドローン点検の3つのメリット：安全性・速度・詳細な記録

ドローンによる屋根点検には、主に以下の3つの大きなメリットがあります。これらは、従来の点検方法では難しかった課題を解決し、より質の高い点検を実現します。

安全性

最も大きなメリットは、その安全性です。従来の屋根点検では、作業員が梯子や足場を使って屋根に上る必要があり、高所作業に伴う転落や滑落といった事故のリスクが常に伴いました。特に急勾配の屋根や老朽化した屋根では、その危険性はさらに増します。ドローン点検では、作業員が地上からドローンを操作するため、高所作業による危険を完全に回避できます。これにより、作業員の安全が確保されるだけでなく、万が一の事故による責任問題も未然に防ぐことが可能です。

速度

ドローンは広範囲を短時間でカバーできるため、点検にかかる時間を大幅に短縮できます。屋根の形状や広さにもよりますが、一般的な住宅の屋根であれば、ドローンによる撮影は数十分程度で完了します。これにより、お客様の立ち会い時間や、点検のためにスケジュールを調整する手間も最小限に抑えられます。スピーディーな点検は、急を要する劣化状況の確認や、忙しい方にとっても大きな利点となります。

詳細な記録

ドローンに搭載された高精細カメラは、屋根の隅々まで鮮明な画像や動画として記録します。肉眼では見落としがちな小さなひび割れ、コケの発生、板金の浮き、漆喰の劣化など、屋根の細部にわたる劣化状況を客観的なデータとして残すことが可能です。これらのデータは、点検報告書に写真や動画として添付され、お客様自身が屋根の状態を正確に把握するのに役立ちます。また、過去のデータと比較することで、経年劣化の進行状況を把握したり、修理後の効果を確認したりする際にも非常に有効な資料となります。

ドローン点検の3つのデメリット：天候・死角・法規制

多くのメリットがあるドローン点検ですが、いくつかのデメリットや注意点も存在します。これらを理解した上で、ドローン点検の依頼を検討することが重要です。

天候

ドローンは精密機器であり、その飛行は天候に大きく左右されます。強風、雨、雪などの悪天候時には、安全な飛行が困難となるため、点検を実施することができません。特に風速5m/sを超えるような強風の場合、ドローンが不安定になり、正確な撮影ができないだけでなく、墜落のリスクも高まります。そのため、天候によっては点検が延期となる可能性があり、スケジュールに余裕を持つ必要があります。

死角

ドローンは上空から屋根を撮影するため、屋根の形状や周辺の建物、樹木などによっては死角が生じることがあります。例えば、軒の裏側や、太陽光パネルの下、複雑な形状の谷部分などは、ドローンのカメラが直接捉えられない場合があります。また、屋根材の重なり部分の奥など、目視でしか確認できないような劣化箇所も存在します。完全にすべての箇所をカバーできない可能性があるため、必要に応じて従来型の目視点検と組み合わせることも検討すべきです。

法規制

ドローンの飛行には、「航空法」をはじめとする様々な法規制が適用されます。特に、人口集中地区での飛行や、目視外飛行、夜間飛行、人や物件との距離が30m未満での飛行などを行う場合は、国土交通大臣の許可・承認が必要です。また、近隣住民のプライバシーへの配慮も重要です。無許可での飛行は法律違反となり、罰則の対象となる可能性があります。信頼できる業者は、これらの法規制を遵守し、適切な手続きを行った上で点検を実施します。

屋根点検の費用相場【ドローン点検と通常点検の比較】

屋根点検を検討する際、最も気になるのが費用ではないでしょうか。ここでは、ドローンを使った点検と、従来型の足場や梯子を用いた点検の費用相場を比較し、それぞれの内訳を詳しく解説します。ご自身の状況に合った最適な点検方法を選ぶための参考にしてください。

ドローンによる屋根点検の費用相場と内訳

ドローンを使った屋根点検は、高所作業のリスクを抑えつつ、短時間で広範囲を詳細に調査できる点が大きな特徴です。費用相場は、一般的に2万円～10万円程度とされていますが、屋根の広さや形状、点検内容（赤外線カメラの有無など）、報告書の詳細度によって変動します。

主な内訳は以下の通りです。

ドローン点検の費用は、足場設置が不要なため、特に高所の屋根や複雑な形状の屋根において、従来型よりも費用を抑えられるケースが多いのがメリットです。また、記録として残る高解像度の画像や動画は、後の修理業者とのやり取りや保険申請にも役立ちます。

従来型（足場・梯子）屋根点検の費用相場と内訳

従来型の屋根点検は、作業員が梯子や必要に応じて足場を組んで屋根に上り、目視で直接確認する方法です。費用相場は、梯子での点検であれば1万円～5万円程度、足場が必要な場合は10万円～30万円以上と大きく幅があります。足場費用が加わることで、ドローン点検よりも高額になる傾向があります。

主な内訳は以下の通りです。

足場を組む場合は、その設置・解体費用が全体の点検費用を大きく押し上げる要因となります。しかし、実際に屋根に上がって手で触れて確認できるため、より詳細な劣化状況や、ドローンでは見つけにくい小さな損傷を発見できる可能性もあります。

ドローン点検で費用を抑えるポイント

ドローンによる屋根点検は、従来型に比べて費用を抑えられるケースが多いですが、さらにコストを削減するためのポイントがいくつかあります。

• 複数の業者から相見積もりを取る
  複数のドローン点検業者から見積もりを取得し、サービス内容と費用を比較検討することで、適正価格で依頼できる可能性が高まります。安さだけでなく、報告書の質や実績も考慮しましょう。

• 点検と修理をセットで依頼する
  点検の結果、屋根の修理が必要になった場合、点検から修理まで一貫して同じ業者に依頼することで、点検費用が割引になったり、無料になったりするケースがあります。修理の見込みがある場合は、セットでの見積もりを依頼してみましょう。

• 火災保険の活用を検討する
  台風や地震などの自然災害が原因で屋根が損傷した場合は、火災保険が適用される可能性があります。点検費用自体は対象外でも、その後の修理費用に保険が適用されることで、実質的な自己負担を軽減できます。点検業者によっては、保険申請のサポートを行っている場合もあります。

• 定期点検パックやキャンペーンを利用する
  一部の業者は、定期的な屋根点検のパック料金や、期間限定のキャンペーンを実施していることがあります。これらのサービスを利用することで、通常よりもお得に点検を受けられる場合があります。

これらのポイントを押さえることで、ドローン屋根点検の費用を賢く抑え、安心して大切な住まいの状態を把握することができます。

ドローン屋根点検の流れと診断内容

ドローンによる屋根点検は、依頼から診断報告書の受け取り、そしてその後の適切な対応まで、いくつかのステップを経て行われます。ここでは、お客様が安心して点検を依頼できるよう、その具体的な流れと、提供される診断報告書の内容について詳しく解説します。

点検依頼から飛行許可取得まで

ドローン屋根点検を依頼する前の準備段階は、点検の質とスムーズな進行を左右する重要なプロセスです。ここでは、点検依頼から、必要となる飛行許可の取得までの流れを説明します。

点検依頼・事前相談

まずは、ドローン点検を行っている業者に問い合わせを行い、屋根の状況や気になる点について相談します。この際、屋根の種類、築年数、過去の修繕履歴、特に気になる劣化箇所などを具体的に伝えることで、より正確な概算見積もりや点検プランの提案を受けることができます。多くの業者は、この段階で無料の相談や概算見積もりを提供しています。

契約と飛行計画の策定

概算見積もりに納得し、正式に点検を依頼する運びとなれば、詳細な見積もりを確認した上で契約を締結します。契約後、業者は点検対象となる屋根の詳細な情報を元に、ドローンの飛行計画を策定します。この計画には、撮影範囲、飛行ルート、撮影時間帯、万が一の事態に備えた安全対策などが含まれます。また、近隣住民への配慮として、事前に点検日時やドローン飛行の旨を説明し、理解を得るための準備も行われます。

飛行許可・承認の取得

ドローンを飛行させる際には、航空法に基づき様々な規制が設けられています。特に、人口集中地区（DID地区）での飛行や、夜間飛行、目視外飛行を行う場合は、国土交通省への飛行許可・承認申請が必要です。多くの専門業者は、これらの申請手続きを代行してくれます。申請には通常、数週間程度の期間を要するため、余裕を持ったスケジュールで依頼することが重要です。

国土交通省による無人航空機（ドローン・ラジコン機等）の飛行ルールについては、国土交通省のウェブサイトで詳細を確認できます。

ドローン撮影と診断報告書の内容

事前の準備が整ったら、いよいよドローンによる屋根点検が実施されます。ここでは、点検当日の流れと、その後の解析を経て作成される診断報告書の内容について解説します。

ドローンによる屋根撮影当日

点検当日は、まず業者が現場で最終的な天候確認と安全確認を行います。風速や雨の有無など、ドローン飛行に適した気象条件であることを確認した上で、お客様との最終打ち合わせを経て、ドローンを飛行させます。高解像度カメラを搭載したドローンが屋根の全景や各部位を、様々なアングルから撮影していきます。撮影時間は屋根の広さや形状によって異なりますが、一般的には数十分から1時間程度で完了します。お客様は、安全な場所から点検の様子を見守ることができます。

撮影データの解析と診断

ドローンで撮影された大量の画像や動画データは、持ち帰られた後、専門のスタッフによって詳細に解析されます。この際、AI技術を活用して、ひび割れ、コケの発生、漆喰の剥がれ、板金の浮き、雨樋の詰まりなど、肉眼では見落としがちな微細な劣化箇所も高精度で特定されます。これらのデータと専門家の知見を組み合わせることで、屋根全体の劣化状況や損傷の程度が正確に診断され、劣化レベルが判定されます。

診断報告書の内容と活用

解析と診断の結果は、詳細な「診断報告書」としてまとめられ、お客様に提出されます。この報告書には、以下の内容が網羅されています。

業者は、この診断報告書をお客様に丁寧に説明し、疑問点や不安な点がないかを確認します。報告書は、屋根の現状を正確に把握し、将来的な修繕計画を立てる上で非常に重要な資料となります。不要な修繕を避け、本当に必要なメンテナンスを見極めるためにも、報告書の内容をしっかりと理解することが大切です。

信頼できるドローン屋根点検業者の選び方

ドローンによる屋根点検は非常に便利ですが、依頼する業者選びを誤ると、不正確な診断やその後のトラブルにつながる可能性があります。ここでは、安心して任せられる優良なドローン屋根点検業者を見極めるためのポイントを解説します。

ドローン操縦の技術と資格の有無

ドローンを安全かつ正確に操縦するには、専門的な知識と高度な技術が不可欠です。特に屋根点検では、建物の構造や周辺環境を考慮しながら、精密な飛行が求められます。

まず、業者が国土交通省の飛行許可・承認を得ているかは、最低限確認すべき点です。人口密集地や夜間飛行、目視外飛行など、特定の条件下でのドローン飛行には、この許可・承認が法律で義務付けられています。無許可での飛行は違法行為にあたるため、必ず確認しましょう。

さらに、民間資格の有無も判断基準の一つとなります。代表的なものに、JUIDA（一般社団法人日本UAS産業振興協議会）やDPA（一般社団法人ドローン操縦士協会）が認定する資格があります。これらの資格は、ドローン操縦に関する一定の知識と技術を有していることの証明となり、業者の信頼性を高める要素となります。

資格だけでなく、実際にどれくらいの飛行実績や経験年数があるかも重要です。過去の点検事例や実績を確認し、経験豊富な業者を選ぶようにしましょう。

点検報告書の質と説明の丁寧さ

ドローン点検の最大の目的は、屋根の現状を正確に把握し、必要な修繕箇所を見つけることです。そのため、点検後に提出される報告書の質は非常に重要です。

優れた点検報告書には、単にドローンで撮影した写真や動画が羅列されているだけでなく、以下の情報が具体的に記載されています。

• 屋根全体の俯瞰図と各箇所の詳細写真
• 劣化状況（ひび割れ、コケ、浮き、破損など）の具体的な説明と指摘箇所
• 劣化の原因と、それによって今後発生しうるリスク
• 推奨される補修方法やメンテナンスの提案
• 修理が必要な場合の具体的な見積もり

また、報告書の内容を専門用語を避け、分かりやすく説明してくれるかも重要なポイントです。点検結果について疑問点があれば、納得がいくまで丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。点検後の質疑応答や、今後のメンテナンスに関する具体的なアドバイスの有無も確認しておくと安心です。複数の業者から見積もりを取る際は、報告書の内容や説明の丁寧さも比較検討材料に含めることをおすすめします。

適切な保険への加入と実績

ドローンは精密機器であり、飛行中には予期せぬトラブルや事故が発生する可能性もゼロではありません。万が一の事態に備え、業者が適切な賠償責任保険に加入しているかは必ず確認すべき項目です。

ドローン保険には、対人・対物賠償責任保険、機体保険など様々な種類があります。特に、第三者の身体や財産に損害を与えてしまった場合に備える「対人・対物賠償責任保険」は必須と言えるでしょう。加入している保険の種類や補償範囲について、事前に確認しておくことが大切です。

また、業者の過去の実績も信頼性を測る重要な指標となります。これまでの点検件数や、実際にどのような屋根の点検を行ってきたか、顧客からの評価などを確認しましょう。

• 施工事例や実績が豊富か
• 顧客からの口コミや評判が良いか
• 地域に根差した活動をしているか（緊急時の対応の早さなど）

特に、地域の気候や屋根の特性に詳しい地域密着型の業者は、より的確なアドバイスや迅速な対応が期待できるためおすすめです。信頼できる業者は、自社のウェブサイトなどで実績やお客様の声を公開していることが多いので、参考にすると良いでしょう。

ドローン屋根点検に関するよくある質問

ドローン点検はどんな屋根でも可能？

基本的に、ドローンによる屋根点検は多くの種類の屋根で実施可能です。スレート、瓦、ガルバリウム鋼板、アスファルトシングルなど、一般的な屋根材であれば問題なく点検できます。高所作業が難しい屋根や、複雑な形状の屋根でも、ドローンは安全かつ効率的にアプローチできます。

しかし、以下のようなケースではドローン点検が難しい、または不向きな場合があります。

• 極端に急勾配すぎる屋根：ドローンの飛行安定性が損なわれる可能性があり、安全確保が難しい場合があります。また、詳細な画像取得が困難になることもあります。
• 屋根上に障害物が多い場合：アンテナ、ソーラーパネル、煙突、樹木などが密集している場合、ドローンが接近しにくく、死角が生じる可能性があります。これにより、一部の劣化を見落とすリスクがあります。
• 特殊な形状や素材の屋根：非常に複雑な形状の屋根や、ドローンが発する電波に影響を受ける可能性のある特殊な素材（例：電波を反射しやすい金属屋根の一部）の場合、詳細な撮影が難しいことがあります。
• 強風や悪天候時：雨や強風時はドローンの安全な飛行が困難なため、点検を延期する必要があります。

依頼する際は、事前に業者が現地調査やGoogleマップなどの航空写真で屋根の形状や周辺環境を確認し、ドローン点検の可否を判断してくれるかを確認しましょう。これにより、無駄な費用発生を防ぎ、ご自身の屋根に最適な点検方法を選択できます。

近隣へのプライバシー配慮は？

ドローンを飛行させる際、近隣住民のプライバシーへの配慮は非常に重要です。信頼できる専門業者は、以下の点に細心の注意を払い、トラブルを未然に防ぎます。

• 事前告知の徹底：点検日時、目的、飛行時間などを記載した書面を事前に近隣住民の方々へ配布するなどして周知します。これにより、不要な誤解や不安を解消し、安心して点検を進められます。
• 飛行経路の最適化：可能な限り、隣家の敷地や窓が映り込まないような飛行経路を選定します。必要に応じて、敷地境界線から十分な距離を保って飛行し、プライバシー侵害のリスクを最小限に抑えます。
• 撮影範囲の限定：屋根の状態確認に必要な範囲のみを撮影し、不要な情報（隣家の内部や庭など）が映り込まないよう細心の注意を払います。広角レンズでの撮影時も、個人が特定できる情報が映り込まないよう配慮します。
• 個人情報保護：万が一、撮影データに個人が特定できる情報が含まれていた場合でも、その情報を適切に処理（モザイク処理、トリミングなど）し、厳重に管理・破棄する体制を整えています。

航空法や各自治体の条例では、ドローンの飛行に関する規制が定められています。特に人口集中地区（DID地区）での飛行には国土交通大臣の許可が必要です。プロの業者はこれらの法規制を遵守し、適切な手続きを行った上で点検を実施します。依頼する際は、プライバシーポリシーや安全管理体制について、業者に直接確認することをおすすめします。

ドローン点検だけで修理まで依頼できる？

ドローンによる屋根点検は、屋根の劣化状況や損傷箇所を詳細に把握するための診断プロセスであり、それ自体は修理作業とは異なります。しかし、多くの屋根修理業者がドローン点検サービスを提供しており、点検から修理までを一貫して依頼できるケースが一般的です。この場合、以下のようなメリットと注意点があります。

一貫依頼のメリット

一貫依頼の注意点

点検と修理を別々の業者に依頼することも可能です。その場合、点検業者から受け取った詳細な診断報告書や写真・動画データは、他の修理業者に適切な見積もりを依頼する上で非常に重要な資料となります。ご自身の状況や希望、費用感を考慮し、最適な依頼方法を選択しましょう。

まとめ

本記事では、屋根点検の必要性や、ドローンで行う場合の費用相場やそのメリット・デメリット、信頼できる業者の選び方まで詳しく解説しました。
ドローン点検は、高所作業のリスクを低減し、短時間で広範囲を詳細に記録できるため、安全性と効率性に優れています。
費用面では、初期費用がかかる場合もありますが、足場設置が不要なため、従来型点検と比較して費用を抑えられるケースも少なくありません。
特に築年数が経過している、あるいは自然災害後に不安を感じる場合は、早期のドローン点検をご検討ください。

屋根の劣化は放置すればするほど、状況が悪化していきます。
ドローン点検に限らずとも定期的に屋根点検を行い、屋根の不具合を早期に発見し、修理することが屋根を長持ちさせる秘訣です。
適切な時期に信頼できる業者に依頼することで、大切な住まいを長く守ることに繋がります。