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ラバーロックとは
ラバーロックとは瓦同士をコーキングで固定する工法です。瓦同士の結束力が高まることで、地震の際に瓦がズレが生じなくなり、瓦の落下や倒壊の危険を低減することができます。
しかし、訪問販売業者や悪徳業者のいい加減な施工により、「ラバーロック工法はオススメできない」「ラバーロック工法は雨漏りがする」ラバーロック工法自体を否定する業者も多いです。
適切に施工をすれば高い費用対効果を発揮出来るラバーロック工法ですが、ラバーロック工法の全てを否定してしまうのはプロとして施主様にとって大きな機会損失に繋がります。
そのため、施主様自身がラバーロック工法に関する適切な知識を身につけて、ラバーロック工法を正しく施工してくれる業者を見極めることが何よりも重要です。
それでは、次章から具体的にラバーロック工法の目的とメリットについて理解を深めていきましょう。
ラバーロックの目的とメリット
ラバーロック工事を行う目的とメリットは下記の2点です。- 瓦の隙間を埋めて屋根の防水性能を高める
- 瓦がズレを防止して屋根の耐震性を高める
【メリット1】瓦の隙間を埋めて屋根の防水性能を高める
ラバーロック工法は日本瓦の屋根で施工をされます。日本瓦の屋根は耐用年数(耐久性)が80年〜100年と非常に長期的です。 屋根材の寿命として非常に長期的な一方で、長年紫外線による影響を受け続けます。 そうすると、屋根材の中でも頑丈な日本瓦であっても微妙な歪みや変形が発生します。歪みや変形箇所から雨水が侵入すると雨漏りの原因に繋がります。 そのため、コーキングで歪みや変形箇所を補修することで、雨漏りの危険を低減することができます。【メリット2】瓦がズレを防止して屋根の耐震性を高める
瓦は釘などで固定されておらず、構造的には屋根に乗っている状態です。 そのため、地震や台風などで大きな衝撃や圧力が加わると、簡単にズレてしまいます。ズレが、大きくなるとバランスを崩し倒壊する危険もあります。 そのため、コーキングで瓦同士を固定することで、瓦同士の結束力が高くなり、瓦のズレを防止できます。 瓦がズレなくなることで、地震や台風で大きな衝撃や圧力があっても瓦が落下したり、屋根が倒壊するなどの危険を低減することができます。 ただし、間違った工法で施工をしてしまうと、結束された瓦がごっそり滑り落ちてしまい、非常に危険なので、いい加減な業者には絶対に依頼しないようにしましょう。正しいラバーロックの正しい施工方法
ラバーロックは「平瓦」と「棟瓦」の2箇所に施工をされます。優良業者を見極めるために、ラバーロック工法の正しい施工方法について見て行きましょう。平瓦部分
上記の写真のように、瓦の山の左側面んと、山の下側面だけをL字型にコーキングをするのが正しいラバーロックの施工方法です。
L字型にすることで、瓦を固定しながら、瓦下の換気が確保でき、かつ最小限のコーキングで外観も考慮でき、さらに雨水の流れる部分にはコーキングをしていないので、雨漏りの原因になることもありません。
棟瓦部分
上記の写真のように熨斗(のし)瓦が交互に積んである、T字部分のみコーキングをするのが正しいラバーロックの施工方法です。
この箇所だと、最低限のコーキング箇所で最も多くの棟瓦を連結、固定することができます。
ラバーロックの間違った施工方法
上記の画像のように瓦の4辺すべてをコーキングで埋めてしまう施工は絶対にやってはいけません。
素人目ではより強固に瓦が固定されるように見えますが、屋根の内部に湿気が溜ま理やすく、雨漏りの危険が高まります。
ラバーロック工法の費用相場
ラバーロック工法の費用相場は屋根面積や形状によって異なりますが10万円〜30万円が中心価格帯になります。 ラバーロック工法は瓦の葺き直し工事とセットで施工されることも多く、業者によって見積もり価格が大幅に変動するため、相場価格をしっかりと理解しましょう。瓦の施工事例はこちら
ラバーロック工法の施工工程
ラバーロック工法の施工工程についてお伝えします。ラバーロック工法の施工業者を確認する際は、しっかりと工程が厳守されているかを確認することが重要です。 それでは、具体的にラバーロック工法の施工工程を見て行きましょう。【工程1】既存の瓦の補修
まず始めに、既存の瓦に歪んでいる箇所や割れている箇所などを補修します。ラバーロック工法は瓦同士をコーキングで固定するために、既存の瓦の状態が非常に重要になります。そのため、コーキングを施工する前に、既存の瓦を補修してコーキングを施工する下地を整えのえます。
【工程2】棟瓦のコーキング
棟瓦をコーキングします。棟瓦とは屋根の頂点の瓦です。熨斗(のし)瓦と呼ばれる平らな瓦が段になって積まれているため、地震や台風などで被害を受けやすい箇所になります。
熨斗瓦は上段と下段で交互に積まれているため、T字部分のみコーキングを施工します。これは最小限のコーキング処理で、もっとも多くの瓦を連結、固定するのが正しい施工方法です。
【工程3】平瓦部分のコーキング
雨水が流れない瓦の山の外側と山の下の部分だけをコーキングします。
山部分のみコーキングをすることで、瓦を固定しながら瓦下の換気が確保できます。さらに周りからみてもシーリング部分が目立ちにくいため外観も考慮できる利点もあります。
もちろん雨水を流す部分にはコーキングしないので、雨漏りの原因になることはありません。
【工程3】最終確認
コーキングの施工ミスや施工漏れはないか、作業によって瓦を傷つけてしまった箇所はないか、きちんと確認します。問題がなかったら施工完了です。訪問販売に注意!
いままでにも少し触れましたが、ラバーロック工法は訪問販売から提案されることがあるリフォーム方法としても知られています。 ラバーロック自体は前述のとおり正しく行えば有用な工事方法ですが、訪問販売業者でする工事することはお勧めしません。
訪問販売業者では、下記のようなトラブルが発生することがあります。
- 「今すぐ修理しないと危険」と言われて慌てて契約
- 実際には問題がないのに「瓦がズレている」とウソをつかれた
- 事後すぐに不具合が出ても連絡が取れない
屋根の状態は、一般の人には地上から確認しにくいため、こうした見えない不安を利用した営業が行われやすいのです。
安心して工事するためには、その場で契約せず、いったん冷静になって、複数社の見積もりを取りましょう。
地域で実績のある、信頼できる専門業者を自分で選ぶほうが良いです。
複数社に確認することで、本当に工事が必要なのか、費用や内容は妥当なのか、判断することができます。
口コミサイトや、相見積もりサイトなどを利用するのもおすすめです。
弊社、屋根修理プラスでも、よく訪問販売に指摘されたが心配なので改めて見てほしい、といったご相談を受けることがあります。
関東圏で屋根修理を承っておりますので、業者選びにお悩みでしたら、選択肢の一つとしてお気軽にご相談ください。
まとめ
いかがでしたか?ラバーロック工法についてご理解いただけたでしょうか? ラバーロック工法は、地震や台風などの被害を最小限に食い止めることができる効果的なリフォーム工法です。 しかし、いい加減な施工が横行しており、ラバーロック工法の本当の効果が正しく理解されていないのが現状です。 そのため、ラバーロック工法を施工する際は、施工実績のある優良業者で施工をすること何よりも重要です。簡 単 無 料 お 見 積 り
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この記事を書いた人
松井美月
(屋根リフォーム専門アドバイザー)
自社の屋根職人・施工管理者への取材内容をもとに、屋根カバー工法や葺き替えの正しい知識を発信。
実際の施工現場で培った経験をわかりやすくお伝えしています。
(屋根リフォーム専門アドバイザー)






