お問い合わせの経緯
近所で屋根工事しているリフォーム業者が突然訪ねてきて、「屋根がおかしい」と言われたことがキッカケで屋根の修理を検討されていました。実際に屋根を点検してもらい、写真を撮ってもらったところ、全体的に瓦がズレている状態でした。業者からは既存の屋根を一度解体して、再度瓦を組み直す葺き直し工事を提案されたようですが、訪問販売業者で不安に感じたため、信頼できる専門業者での現地調査を検討されていました。インターネットで横浜市に対応できる屋根業者を探していた際に弊社のホームページをご覧になり興味を持っていただきました。建築士や雨漏り診断士など屋根に関する専門的な資格を保有しており適切な屋根診断を行い、本当に必要な工事だけを提案する専門性に信頼性を感じていただき、現地調査のご依頼をいただきました。担当者のコメント
お問い合わせ後、すぐに現地調査に伺い屋根の劣化症状を確認させていただきました。築年数40年が経過した日本瓦の屋根でした。訪問販売業者に瓦のズレを指摘された屋根でした。実際に屋根に上がり状態を確認させていただきました。屋根の棟瓦が全体的にズレが発生していました。また、棟の漆喰が一部剥がれている状態でした。屋根の棟の内部は空洞になっており、葺き土と呼ばれる粘土が詰まっています。この粘土が外に流出しないように漆喰で固められています。しかし、漆喰が剥がれると棟の内部の葺き土が外に流出してしまい棟の内部が歪んでしまいまいます。今回も棟の漆喰が剥がれてしまったことで葺き土が外に流出してしまい棟が歪んでいる状態でした。この状態を放置すると雨漏りの原因になったり、地震や台風で飛ばされてしまう恐れがあるため早急にメンテナンスが必要な状態でした。屋根材本体に関しては大きなズレや劣化も見られませんでした。このような理由から棟の取り直し工事によるメンテナンスをご提案させていただきました。棟の取り直し工事とは既存の棟を一度、解体して再度積み上げる工事です。漆喰の補修、棟瓦の歪みも含めてメンテナンスができます。このような理由から棟の取り直し工事によるメンテナンスをご提案させていただきました。屋根の劣化症状と現地調査の様子
ここからは屋根の劣化症状と現地調査の様子について具体的に見ていきましょう。
棟瓦と本瓦の隙間にある白い部分が漆喰です。経年劣化で漆喰が剥がれて屋根に落ちている状態です。少し見えずらいですが、漆喰が剥がれた箇所の奥に茶色い物体が見えますが、こちらが葺き土になります。葺き土が外に流出すると棟が歪むだけではなく、雨漏りの原因にもなるため早急に修理が必要な状態でした。
こちらは鬼瓦です。棟が歪んだことがキッカケで鬼瓦も外れかかっています。落下すると大変危険なので具体的に修理が必要な状態でした。
棟の取り直し工事の工程と施工中の様子
棟の取り直し工事は既存の棟を解体して新しく棟を積み直す工事です。どのように工事が進んでいくのか実際の施工中の写真を見ながら見ていきましょう。【工程1】棟の解体
まず始めに既存の棟を解体します。
屋根のてっぺんの冠瓦を取り外しました。冠瓦を撤去すると土が出てきますがこの土が葺き土です。この土も撤去します。
屋根の棟瓦も撤去しました。棟瓦を撤去すると大量の土がでてきます。この土を固めているのが漆喰です。漆喰と葺土も撤去します。
棟の解体が完了しました。
【工程2】棟の施工
棟の撤去が完了したら、棟を施工します。葺き土の代わりに南蛮漆喰を施工して、先ほど撤去した、棟瓦を設置します。
白い素材が南蛮漆喰です。解体前の棟は葺土と呼ばれる粘土が入っていましたが、最近では葺土の代わりに南蛮漆喰が施工されます。南蛮漆喰は漆喰に樹脂などを混合した素材になります。従来の漆喰と比べて耐久性に優れているのが特徴です。
棟の施工が完了しました。瓦同士をコーキングで接着する瓦どめを行いました。瓦同士をコーキングで接着することで瓦のズレを防止することができます。
棟だけではなく、本瓦もコーキングで接着をしたら棟の取り直し工事は施工完了です。
棟の取り直し工事の施工後の様子
