防災瓦(地震や台風に強い?)とは | 見分け方や費用相場を解説

地震や台風に強い「防災瓦」をご存知ですか?従来の瓦との決定的な違いから、自宅の屋根が防災瓦かどうか見分ける具体的な方法まで、この記事で徹底解説します。瓦の形状、固定方法、刻印の確認ポイントを詳しくご紹介。もし防災瓦でなかった場合でも、耐震補強や葺き替え工事の費用相場、信頼できる業者選びのコツまで分かるので、住まいの安全対策を具体的に検討し、安心を手に入れることができるでしょう。

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防災瓦とは?従来の瓦との決定的な違いを理解する

防災瓦の屋根 日本の美しい街並みを彩ってきた瓦屋根は、その独特の風情と耐久性で長年親しまれてきました。しかし、近年の大規模な地震や台風といった自然災害は、従来の瓦屋根が持つ耐震性や耐風性に関する課題を浮き彫りにしました。 「防災瓦」とは、こうした自然災害から住宅を守るために、従来の瓦の構造や施工方法を根本から見直し、耐震性・耐風性を大幅に向上させた瓦の総称です。ここでは、従来の瓦が抱えていた弱点と、防災瓦がどのように進化を遂げたのかを詳しく解説します。

従来の瓦(日本瓦)の構造と弱点

日本瓦、特に昔ながらの和瓦は、粘土を焼成して作られる伝統的な屋根材です。その重厚感と独特の曲線美は、日本の建築文化に深く根ざしています。しかし、その構造と施工方法には、現代の防災基準から見るといくつかの弱点がありました。 従来の瓦屋根の多くは、瓦を一枚一枚引っ掛けるように重ねて葺いていくのが基本でした。一部は漆喰や土で固定される箇所もありますが、瓦一枚一枚が屋根下地に直接釘などで固定されていないケースが少なくありませんでした。これにより、以下のような問題が生じやすかったのです。
  • 地震時の瓦のズレ・落下:大きな揺れが発生すると、固定が不十分な瓦は互いに擦れ合い、位置がずれたり、最悪の場合は屋根から落下したりする危険性がありました。落下した瓦は人や物への被害だけでなく、避難経路を塞ぐ原因にもなります。
  • 台風時の瓦の飛散・雨漏り:強風時には、瓦の下に風が吹き込み、瓦が浮き上がったり、屋根から吹き飛ばされたりする被害が多発しました。瓦が飛散すると近隣住宅への被害にもつながり、また、瓦が剥がれた箇所から雨水が侵入し、雨漏りの原因となることもありました。
  • 建物への負担:日本瓦は1平方メートルあたり約40~50kgと非常に重い屋根材です。屋根全体の重量が重いと、地震の際に建物にかかる負担が大きくなり、揺れが増幅されやすいため、建物の倒壊リスクを高める要因の一つとされていました。

防災瓦が持つ3つの進化ポイント

従来の瓦が抱えていたこれらの課題を解決するために開発されたのが防災瓦です。防災瓦は、主に以下の3つの点で飛躍的な進化を遂げています。

瓦同士を強固に連結する「ロックアーム構造」

防災瓦の最大の特徴の一つが、瓦同士が互いに強固に噛み合う「ロックアーム構造」を採用している点です。従来の瓦がただ重ねて置かれるだけだったのに対し、防災瓦は瓦の側面や裏側に設けられた特殊な形状の突起や溝が、隣接する瓦とがっちりと連結します。 この構造により、瓦一枚一枚が独立して動くことを抑制し、屋根全体として一体感を保つことができます。地震の揺れや台風の強風時にも、瓦のズレや浮き上がり、そして脱落や飛散を大幅に軽減する効果があります。 防災瓦のロック構造

屋根下地にしっかり固定する「釘打ち工法」

防災瓦では、全ての瓦を屋根下地に直接釘やビスで固定する「釘打ち工法」が基本です。従来の瓦では一部を除き直接固定されないケースも多く見られましたが、防災瓦は瓦の特定の位置に設けられた釘穴を通じて、防水シート(ルーフィングシート)や野地板といった屋根下地に確実に固定されます。 この徹底した固定方法により、強風で瓦が吹き飛ばされたり、地震で滑り落ちたりするリスクを極めて低く抑えることが可能です。この工法は、国土交通省が定める「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」に則った、高い耐震性・耐風性を確保するための重要な要素となっています。

建物への負担を軽減する「軽量化」

防災瓦は、従来の日本瓦と比較して大幅な軽量化が図られています。セメント系や金属系などの新しい素材を用いることで、同じ面積あたりの重量を軽減しています。例えば、従来の日本瓦が1平方メートルあたり約40~50kgであったのに対し、防災瓦は製品によっては約20~30kg程度に抑えられているものもあります。 屋根の軽量化は、建物全体の重心を下げる効果があり、地震時の揺れ幅を小さくし、建物本体にかかる負担を軽減します。これにより、建物の耐震性が向上し、倒壊リスクの低減に大きく貢献します。
比較項目 従来の瓦(日本瓦) 防災瓦
瓦の連結方法 瓦同士を重ねる、引っ掛けるのみが基本(一部漆喰・土固定) 瓦同士を強固に噛み合わせる「ロックアーム構造」
屋根下地への固定 一部を除き直接固定しない場合が多い 全ての瓦を釘やビスで下地に直接固定する「釘打ち工法」
屋根の重量(1㎡あたり) 約40~50kgと重い傾向 約20~30kgと軽量化されている製品が多い
耐震性・耐風性 地震や強風で瓦のズレ・落下・飛散のリスクあり 瓦のズレ・落下・飛散のリスクを大幅に軽減

自宅の屋根が防災瓦か見分ける具体的な方法

ご自宅の屋根が防災瓦であるかどうかを確認することは、住まいの耐震性や耐風性を知る上で非常に重要です。しかし、屋根の上での作業は危険が伴うため、無理な自己判断や行動は避けることが肝心です。ここでは、ご自身で確認できる範囲と、専門業者に依頼すべきポイントを具体的に解説します。

瓦の「形状」から見分けるポイント

防災瓦は、従来の瓦(日本瓦)と比較して、瓦同士が強固に連結されるように設計されています。特に、瓦の重なり方や接合部分に注目すると、ある程度の判断が可能です。 従来の瓦は、瓦同士の間に比較的大きな隙間があり、一枚一枚が独立して瓦桟に引っ掛かっているような印象を受けます。一方、防災瓦は、瓦同士が深くかみ合い、一体感のあるデザインになっていることが多いです。特に、瓦の側面や下端部分に、他の瓦と連結するための「ロックアーム構造」や「かみ合わせ部分」が見られる場合があります。
日本瓦屋根の構造
日本瓦
以下の表で、形状による見分け方のポイントを比較してみましょう。
特徴 従来の瓦(日本瓦) 防災瓦
瓦の重なり方 瓦と瓦の間に比較的隙間があり、独立しているように見える。 瓦同士が深くかみ合い、隙間が少ない。一体感がある。
接合部分 瓦桟に引っ掛ける構造が主で、瓦同士の連結は弱い。 瓦同士を連結する「ロックアーム」や「かみ合わせ」構造がある。
全体的な印象 一枚一枚の瓦の存在感が強い。 屋根全体として均一で、フラットに見える製品が多い。

瓦の「固定方法」から見分けるポイント(釘の有無や重なり方)

防災瓦の大きな特徴の一つが、瓦を屋根下地にしっかり固定する「釘打ち工法」です。この固定方法を確認できれば、防災瓦である可能性が非常に高まります。 従来の瓦は、基本的に瓦桟に引っ掛けて設置されるため、瓦の表面から釘が見えることはほとんどありません。一部の軒先瓦や袖瓦には釘が使用されることもありますが、屋根全体の瓦が釘で固定されていることは稀です。 一方、防災瓦は、ほとんど全ての瓦が専用の釘やビスで屋根下地に直接固定されています。これは、瓦の表面から確認できる場合と、瓦の重なり部分に隠れて見えない場合があります。もし、屋根の瓦の表面(特に瓦の頭部分)に、等間隔で釘やビスの頭が見えるようであれば、防災瓦である可能性が高いでしょう。 ただし、この確認には屋根に上る必要があり、非常に危険です。専門知識と適切な安全装備なしに屋根に上ることは絶対に避けてください。また、瓦の重なり方についても、防災瓦は風によるめくれ上がりを防ぐために、瓦同士が深く、かつ強固に連結する構造になっています。

瓦の「裏側や側面」にある刻印・ロゴを確認する

瓦の裏側や側面には、製造メーカー名、製品名、JISマーク、あるいは特定の工法に関するロゴなどが刻印されていることがあります。これらの刻印を確認できれば、使用されている瓦が防災瓦であるかどうかの判断材料になります。 例えば、「スーパートライ110」「ROOGA(ルーガ)」「イーグルロック」といった製品名や、「鶴弥」「栄四郎瓦」「マルスギ」などの主要な防災瓦メーカー名が刻印されていれば、防災瓦である可能性が高いです。また、「ガイドライン工法適合」を示すマークが刻印されている場合もあります。 しかし、この方法も、瓦を実際に手に取って裏側や側面を見る必要があるため、一般の方が簡単に行えるものではありません。屋根の点検時に専門業者に依頼し、特定の瓦を外して確認してもらうのが現実的です。

新築・リフォーム時の「書類」で確認する

ご自宅が新築時やリフォーム時に瓦屋根を施工している場合、最も安全で確実な確認方法は、関連する書類を確認することです。
  • 建築時の設計図書・仕様書:新築時の設計図書や仕様書には、使用された建材の詳細が記載されています。屋根材の項目に、瓦の種類や製品名が明記されているはずです。
  • リフォーム時の契約書・保証書:屋根のリフォームを行った場合は、施工業者との契約書や、使用した瓦のメーカー保証書に、製品名や工法が記載されています。
  • 点検報告書:過去に屋根点検を受けている場合、その報告書に瓦の種類が記載されていることがあります。
これらの書類の中に、「防災瓦」「耐震瓦」「耐風瓦」といった記載や、具体的な製品名(例:スーパートライ110、ROOGAなど)、あるいは「ガイドライン工法」で施工された旨の記述があれば、ご自宅の瓦は防災瓦であると判断できます。

最も確実なのは「専門業者による診断」

上記で紹介した方法で判断が難しい場合や、より正確な情報を知りたい場合は、専門の屋根工事業者や瓦業者に診断を依頼するのが最も確実です。 専門業者は、屋根に安全に上り、瓦の形状、固定方法、刻印の有無などを直接確認することができます。また、瓦の種類だけでなく、下地の状態や屋根全体の健全性も合わせて診断してくれるため、屋根の総合的な状況を把握することができます。 多くの業者が無料点検を実施していますので、ご自身の判断に不安がある場合は、無理をせず専門家に相談することをおすすめします。診断の結果、もし防災瓦でなかった場合でも、適切な補強やリフォームの選択肢について具体的なアドバイスを得られるでしょう。

防災瓦の種類と主要メーカー

地震や台風に強い防災瓦は、各メーカーが独自の技術を凝らして開発しています。ここでは、代表的な防災瓦製品と、その施工に不可欠な「ガイドライン工法」について詳しく解説します。

代表的な防災瓦製品と特徴

日本国内で広く普及している防災瓦には、いくつかの主要メーカーと、それぞれ特徴の異なる製品が存在します。主なメーカーと製品、その特徴を以下の表にまとめました。
メーカー名 代表的な防災瓦製品 主な特徴
株式会社鶴弥 スーパートライ110シリーズ(タイプI、タイプII、スマートなど)
  • 軽量化と瓦同士の強力なロック機能により、高い耐震性・耐風性を実現。
  • 豊富なカラーバリエーションとデザイン性で、多様な住宅スタイルに対応。
  • 雨水の浸入を防ぐ高い防水性能。
新東株式会社 セラムF、セラムMなど
  • 瓦の裏面に設けられたリブとロック機能で、風圧による瓦の浮き上がりや飛散を抑制
  • 軽量設計により、建物への負担を軽減し、耐震性を向上。
  • シンプルでモダンなデザインから伝統的なデザインまで幅広いラインナップ。
株式会社栄四郎瓦 プラウドプレイン、プラウドフラットなど
  • 美しい意匠性と高い機能性を両立。
  • 独自の固定方法により、強風や地震に対する高い耐久性を発揮。
  • 施工性の高さも特徴で、工期の短縮にも貢献。
マルスギ株式会社 イーグルロックなど
  • 瓦の形状と固定方法を工夫し、優れた耐震性・耐風性を実現。
  • 特に、瓦同士の噛み合わせが強固で、災害時のズレや脱落を防ぐ。
  • 豊富な色と表面仕上げで、住まいの個性を引き出す。
これらの製品は、いずれも従来の日本瓦の美観を保ちつつ、災害に強い屋根を実現するために開発されたものです。製品選びの際は、デザイン性はもちろん、自宅の地域特性(風速、地震リスクなど)や予算も考慮して検討することが重要です。

防災瓦の施工に必須の「ガイドライン工法」とは

どんなに優れた防災瓦を選んでも、その性能を最大限に発揮させるためには、適切な施工が不可欠です。そこで重要となるのが、「ガイドライン工法」と呼ばれる施工基準です。 ガイドライン工法は、全日本瓦工事業連盟(全瓦連)などが定める、瓦屋根の耐風性・耐震性を高めるための統一された施工基準です。従来の瓦の施工方法とは異なり、以下の点が強化されています。
  • 瓦の固定強化: 軒先やケラバ(屋根の端部)だけでなく、屋根全体の瓦を専用の釘やビスで屋根下地にしっかり固定します。これにより、強風による瓦の飛散や地震によるズレ落ちを大幅に軽減します。
  • 防水シート(ルーフィング)の強化: 高品質なルーフィングを使用し、適切な重ね幅で施工することで、万が一瓦が破損しても雨漏りを防ぐ二重の防水層を確保します。
  • 下地の強化: 瓦を固定する下地材も、ガイドライン工法に適合した強度を持つものが選ばれます。
このガイドライン工法で施工された屋根は、建築基準法で定められた基準を上回る耐風性・耐震性を持つことが期待されます。また、住宅の長期優良住宅の認定基準や、火災保険・地震保険の適用条件にも関わることがあるため、防災瓦へのリフォームを検討する際は、必ずガイドライン工法に対応した施工業者を選び、施工証明書の発行を依頼するようにしましょう。
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防災瓦のメリット・デメリットとメンテナンス

メリット:高い耐震性・耐風性、美観、長期耐久性

防災瓦は、従来の瓦が抱えていた自然災害への弱点を克服し、住まいの安全と快適性を大きく向上させる多くのメリットを持っています。
  • 高い耐震性・耐風性

    防災瓦の最大の特長は、その卓越した耐震性と耐風性にあります。瓦同士を強固に連結する「ロックアーム構造」と、屋根下地に確実に固定する「釘打ち工法」により、地震の揺れによる瓦のズレや脱落、強風による飛散を大幅に抑制します。これにより、地震や台風といった自然災害から住まいを守り、家族の安全を確保することができます。また、従来の瓦に比べて軽量化されている製品も多く、建物自体への負担を軽減し、家屋全体の耐震性を高める効果も期待できます。
  • 美しい景観と高い耐久性

    防災瓦は、日本の伝統的な瓦屋根が持つ重厚で美しい景観を損なうことなく、現代の住宅性能基準に適合するように開発されています。和風建築はもちろん、洋風やモダンなデザインの住宅にも調和する多様な色や形状の製品が提供されています。さらに、高品質な素材と製造技術により、色褪せしにくく、長期間にわたって美しさを保つ高い耐久性を持っています。これにより、屋根の塗り替えなどの頻繁なメンテナンスが不要となり、長期的な視点で見ると経済的なメリットも享受できます。
  • 長期的な安心と資産価値の向上

    災害に強い屋根は、住まいの安全性を高めるだけでなく、住宅の資産価値向上にも貢献します。万が一の災害時にも被害を最小限に抑えることで、修繕費用や生活再建の負担を軽減できるため、長期的な安心感につながります。また、地震保険や火災保険の加入においても、耐震・耐風性能の高い屋根は有利に働く場合があります。

デメリット:初期費用、デザインの選択肢

防災瓦には多くのメリットがある一方で、導入を検討する際に考慮すべきデメリットも存在します。
  • 初期費用

    防災瓦への葺き替えや新築時の導入は、従来の瓦や他の屋根材と比較して初期費用が高くなる傾向があります。これは、特殊な連結構造や高品質な素材、そして専門的な施工技術が必要となるためです。しかし、長期的に見れば、メンテナンスコストの削減や災害リスクの軽減、住宅の資産価値向上といったメリットが、この初期投資を上回る可能性があります。初期費用だけでなく、長期的なコストパフォーマンスを総合的に評価することが重要です。
  • デザインの選択肢

    近年、防災瓦のデザインやカラーバリエーションは増加傾向にありますが、従来の日本瓦の持つ多種多様な形状や色合いと比較すると、まだ選択肢が限定される場合があります。特に、特定の伝統的な瓦のデザインを強く希望する場合には、希望に沿う製品が見つからない可能性もゼロではありません。ただし、主要メーカーからは、現代の住宅デザインにマッチする洗練された製品が多数リリースされており、多くの住宅で問題なく採用されています。

防災瓦の適切なメンテナンス方法

防災瓦は高い耐久性を持つとはいえ、屋根は常に自然環境に晒されているため、適切なメンテナンスが不可欠です。定期的な点検と手入れを行うことで、その性能を最大限に維持し、寿命を延ばすことができます。
メンテナンス項目 推奨頻度 確認・対処内容
定期的な目視点検 年1回~数年に1回(専門業者による)
  • 瓦のズレ、浮き、割れ、欠けの有無
  • 漆喰(しっくい)の剥がれやひび割れ
  • 棟瓦(むねがわら)や袖瓦(そでがわら)の固定状態
  • 谷樋(たにどい)や雨樋の詰まり、破損
  • 苔、カビ、藻の発生状況
  • 屋根全体の防水シートの劣化兆候(専門業者による)
特に台風や地震などの自然災害後は、速やかに専門業者に点検を依頼することが重要です。
苔・カビの除去 必要に応じて 日当たりが悪い場所や湿気が多い場所では、苔やカビが発生しやすくなります。これらは瓦の劣化を早める原因となるため、専用の洗浄剤や高圧洗浄機(専門業者による)で除去します。DIYでの高圧洗浄は瓦を傷める可能性があるため、専門業者に相談しましょう。
雨樋の清掃 年1~2回 落ち葉や泥などが詰まると、雨水が適切に流れず、雨漏りの原因となることがあります。定期的に清掃し、詰まりがないか確認します。
部分的な修理・補修 損傷発見時 瓦の割れやズレ、漆喰の剥がれなど、小さな損傷であっても放置せず、早期に専門業者に修理を依頼しましょう。軽微な損傷でも、そこから雨水が侵入し、下地材の腐食や大規模な雨漏りにつながる可能性があります。
防災瓦のメンテナンスは、専門的な知識と技術を要する作業が多いため、信頼できる屋根工事業者に依頼することが最も確実です。定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、防災瓦の性能を長く維持し、住まいの安全を守ることができます。

もし自宅の瓦が防災瓦でなかったら?リフォームの選択肢と費用

自宅の屋根が防災瓦ではないと判明した場合、地震や台風といった自然災害への備えとして、屋根のリフォームを検討することは非常に重要です。ここでは、古い瓦屋根の耐震補強の選択肢と、防災瓦への葺き替え工事にかかる費用相場、そして信頼できるリフォーム業者の選び方について解説します。

古い瓦屋根の耐震補強の選択肢

古い瓦屋根の耐震性を高める方法はいくつかありますが、最も効果的かつ根本的な解決策は、屋根材を軽量化し、適切な固定方法で施工することです。
  • 防災瓦への葺き替え:最も推奨される選択肢です。従来の瓦よりも軽量で、瓦同士が連結され、屋根下地にも強固に固定されるため、高い耐震性と耐風性を実現します。 屋根全体の重量が軽減されることで、建物本体への負担も大幅に減り、地震時の揺れを抑制する効果も期待できます。
  • 軽量瓦(防災瓦含む)への葺き替え:防災瓦以外にも、軽量なセメント瓦やガルバリウム鋼板など、様々な屋根材への葺き替えも選択肢となります。特にガルバリウム鋼板は非常に軽量で、屋根の重量を大幅に削減できますが、瓦特有の重厚な美観を損なう可能性があります。防災瓦は、瓦の美しさを保ちつつ、軽量化と耐震性を両立できる点が大きなメリットです。
  • 既存瓦の固定補強:既存の瓦がまだ使用可能で、部分的な固定不足が問題である場合、瓦のズレや浮きを修正し、釘やビスで固定し直す補強工事も考えられます。しかし、これはあくまで応急処置や部分的な対策であり、屋根全体の抜本的な耐震性向上には繋がりにくいため、専門家とよく相談し、長期的な視点で判断することが重要です。

防災瓦への葺き替え工事の費用相場

防災瓦への葺き替え工事の費用は、屋根の面積、形状、既存の屋根材の種類、使用する防災瓦の種類、足場の有無、業者によって大きく変動します。ここでは一般的な費用相場を解説します。 工事費用は、主に以下の要素で構成されます。
  • 瓦本体費用:選ぶ防災瓦の種類やグレードによって価格が異なります。
  • 施工費用(工賃):職人の人件費や工事の手間賃です。
  • 足場設置費用:安全に作業を行うために必須で、屋根の面積や建物の高さによって変動します。
  • 既存瓦撤去・処分費用:古い瓦を撤去し、産業廃棄物として適切に処分するための費用です。
  • 下地補修費用:既存の下地の劣化が激しい場合、補修や交換が必要になることがあります。
  • 運搬費用:資材や廃材の運搬にかかる費用です。
一般的な住宅(屋根面積50~80㎡程度)における防災瓦への葺き替え工事の費用相場は、1㎡あたり10,000円~20,000円程度、総額では100万円~250万円程度が目安となります。ただし、これはあくまで目安であり、詳細な費用は現地調査の上、複数の業者から見積もりを取ることを強くお勧めします。

防災瓦への葺き替え費用相場(目安)

項目 内容 費用相場(1㎡あたり)
既存瓦撤去・処分費 古い瓦の撤去と産業廃棄物としての処分 2,000円~4,000円
下地補修・調整費 屋根下地の補修や防水シートの設置 1,000円~3,000円
防災瓦本体費用 選定する防災瓦の種類(和瓦、洋瓦など) 5,000円~10,000円
施工費(工賃) 瓦の葺き替え作業全般 3,000円~6,000円
足場設置費用 安全確保のための足場設置・撤去 800円~1,500円(屋根面積ではなく外周に依存)
その他諸経費 運搬費、現場管理費など 1,000円~2,000円
合計(目安) 10,000円~20,000円
※上記は一般的な目安であり、地域や業者、屋根の状況によって変動します。正確な費用は必ず見積もりで確認してください。

リフォーム業者選びのポイント

防災瓦への葺き替え工事は、家の安全と耐久性に直結する重要なリフォームです。信頼できる業者を選ぶことが、成功の鍵となります。
  • 複数の業者から相見積もりを取る:最低でも3社以上の業者から見積もりを取りましょう。 費用だけでなく、工事内容、使用する材料、工期、保証内容などを比較検討することで、適正価格や業者の信頼性を見極めることができます。
  • 施工実績と専門知識を確認する:瓦屋根の工事実績が豊富で、特に防災瓦の施工経験がある業者を選びましょう。過去の施工事例を見せてもらい、「瓦屋根工事技士」などの専門資格を持つ職人がいるかどうかも確認すると良いでしょう。
  • 丁寧な説明と提案があるか:屋根の状態や工事内容、費用について、専門用語を避け、分かりやすく丁寧に説明してくれる業者を選びましょう。メリットだけでなく、デメリットやリスクについても正直に伝えてくれる業者は信頼できます。
  • 保証内容が明確か:工事後のアフターサービスや保証内容(工事保証、製品保証など)が明確に提示されているかを確認しましょう。万が一の不具合が発生した際に、迅速かつ適切に対応してくれる体制が整っているかどうかが重要です。
  • 建設業許可の有無:大規模な工事を行う場合、建設業許可(屋根工事業など)を持つ業者であることが望ましいです。これにより、一定の技術力と経営基盤があることを示す目安となります。

まとめ

防災瓦は、地震や台風から家を守る上で極めて重要な屋根材です。従来の瓦と異なり、瓦同士を強固に連結し、屋根下地にしっかり固定することで、高い耐震性・耐風性を実現しています。ご自宅の屋根が防災瓦か見分けるには、瓦の形状や固定方法、裏側の刻印を確認する方法がありますが、最も確実なのは専門業者による診断です。もし防災瓦でなかった場合でも、耐震補強や葺き替えといったリフォームの選択肢があります。安心安全な住まいを守るため、この機会に屋根の状態を確認し、必要であれば専門家への相談を検討しましょう。

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