ノウハウ
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屋根リフォームで失敗しない基礎知識を初心者の方に分かりやすく解説
屋根リフォームは屋根材の種類や劣化症状によって最適なリフォーム工法が異なります。
屋根リフォームの適切な施工方法や適正価格を、素人の方が判断するのは困難で、手探り状態で、漠然と業者を選び、屋根リフォームを行う人が圧倒的に多いのが現状です。
そのため、「相場価格よりもはるかに高額だった」「不必要な工事を提案され、費用を無駄にした」など、せっかくの屋根リフォームの機会を無駄にしてしまう方も少なくありません。
そこで、この記事では、始めて屋根リフォームを行う方が失敗しないために、事前に知っておくべき、屋根リフォームの基礎知識について解説します。
屋根リフォームの種類や、屋根材別の最適なリフォーム工法、適正価格で高品質な屋根リフォームを実現するための適切な費用相場について具体的にまとめています。
この記事を読むだけで、屋根リフォームで失敗する可能性をグッと低減することがので、最後までお読み頂き、参考にして頂ければと思います。
屋根リフォームの種類
屋根リフォームは屋根材の種類によって、メンテナンスサイクルが異なり、屋根リフォームを行う、タイミングも異なります。
日本瓦やスレート瓦、トタンなどの屋根材によって耐用年数が異なるからです。
スレート瓦とトタンは塗装によって屋根材の防水性能を確立しているため、10年に1度を目安に屋根塗装によるメンテナンスが必要です。そして、屋根材の耐用年数が経過するタイミングで、屋根の「カバー工法」または「葺き替え」で屋根材を新しく張り替えます。
一方で、日本瓦は屋根塗装によるメンテナンスは行いません。そのため、屋根内部の防水シート(ルーフィング)が劣化する30年〜40年を目安に、「葺き直し」と呼ばれるリフォーム工法でメンテナンスを行います。
このように屋根材の種類によってメンテナンスサイクルが異なり、リフォームのタイミングや施工法も異なります。
この前提を踏まえて、屋根リフォームの種類について具体的に見て行きましょう。
屋根塗装
屋根塗装は塗装により屋根材の防水性能を回復させるリフォーム方法です。
スレート瓦やトタンなどの塗料により防水性能を確立している屋根材で必要となるメンテナンス方法で、塗料が劣化し始める8年〜12年を目安に行います。
屋根塗装は塗料の種類によって耐用年数(耐久性)が異なります。
スレート瓦はシリコン塗料を使用します。なぜなら、スレート瓦は経年劣化で割れやすく、フッ素などの高級塗料を使用しても、耐用年数を発揮できない可能性が高いからです。
このように屋根塗装は塗料により、屋根材の防水性能を回復させるリフォーム工法であり、塗料の種類によって耐用年数が異なることを事前知識として理解しておきましょう。
屋根カバー工法
屋根カバー工法とは、既存の屋根材の上に、新しい屋根を被せるリフォーム工法です。
スレート屋根のリフォーム工法として開発されたリフォーム工法で、スレート屋根のリフォーム工法として最もスタンダードな工法として定着しています。
屋根のカバー工法は既存の屋根材の上に、新しい屋根材を設置するため、スレート瓦やトタンなどの平坦な屋根しか施工できません。
屋根のカバー工法では金属屋根のガルバリウム鋼板が使用されます。ガルバリウム鋼板は耐用年数が40年〜50年と非常に長期的で、屋根塗装の必要がないメンテナンスフリーの屋根材です。
このようにカバー工法は既存の屋根材の上に新しい屋根材を被せるリフォーム工法であり、スレート屋根で最もスタンダードなリフォーム工法として定着しています。
屋根葺き替え
屋根の葺き替えは、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材に張り替えるリフォーム工法です。
屋根カバー工法が普及する前は、屋根リフォームでスタンダードな工法でしたが、現在ではカバー工法ができない、瓦屋根のリフォームや、屋根の下地の劣化が激しくカバー工法が施工できない場合に屋根の葺き替えが行われます。
屋根の葺き替えによるリフォームは瓦屋根で施工されることが多いですが、建物の耐震性を考慮して、金属屋根のガルバリウムが使用されるのが一般的です。
このように屋根の葺き替えは、既存の屋根材を撤去して、新しい屋根材に張替える、瓦屋根でスタンダードなリフォーム工法ということ理解しておきましょう。
瓦の葺き直し
「瓦の葺き直し」とは、日本瓦の屋根に特化したリフォーム方法です。
既存の屋根材を撤去して、屋根内部の防水シート(ルーフィング)を交換し、再度、瓦を戻すリフォーム工法です。
日本瓦は陶器のようなもので耐用年数が80年〜100年と非常に長期的です。しかし、屋根の内部の防水シートは30年〜40年で劣化し、「破れ」や「縮れ」が発生します。
そのため、屋根内部の防水シート(ルーフィング)を交換し、屋根の防水性能を回復させる、日本瓦のリフォーム工法です。既存の日本瓦を再利用するため、安くリフォームを行うことが可能です。
屋根材別のリフォームの方法
屋根リフォームは屋根材によって耐用年数が異なります。
また、屋根の形状や劣化症状、将来的なメンテナンスサイクルによって適切な工法が異なるため、屋根材の応じた屋根リフォームの方法を理解することが重要です。
それでは、日本の住宅の屋根で95%の普及率を占めるスレート瓦、日本瓦、トタンの3つの屋根材に厳選し、リフォーム方法を見て行きましょう。
スレート屋根
スレート屋根は耐用年数が経過する30年〜35年を目安にカバー工法でガルバリウム鋼板に張り替えるのが一般的です。
スレート屋根は再塗装によりメンテナンスを行います。
しかし、耐用年数が経過したスレート瓦に塗装をしても、「塗装が直ぐに剥がれる」「塗装が水ぶくれのように膨れてきた」などの施工不良の原因になります。
一方で、屋根塗装を行わなかった場合、屋根材本体が劣化し、塗装の下地として利用できなくなるため、20年〜25年ほどでカバー工法でガルバリウム鋼板に張り替えが必要になります。
このようにスレート屋根は、過去のメンテナンスの履歴や屋根材の状態によってカバー工法を行うタイミングが異なることを理解しておきましょう。
瓦屋根(日本瓦)
日本瓦は耐用年数が80年〜100年と耐久性に優れている屋根材です。また、屋根塗装も必要がないためメンテナンス性も優れており、30年以上何もメンテナンスを行わない住宅も多いです。
そのため、屋根内部の防水シート(ルーフィング)の方が、屋根材よりも早く劣化するため、30年〜40年を目安に葺き直しによる防水シートの交換が必要です。
一方で日本瓦の屋根は、耐震リフォームとして、施工から40年〜50年ほどで、でガルバリウム鋼板に葺き替える施主様も多いです。
日本瓦の屋根をガルバリウム鋼板に葺き替えることで、屋根が60%以上軽くなり、建物全体の重心が下がるため、耐震性能が向上します。
このよう日本瓦は耐用年数が長期的ですが、30年〜40年を目安に葺き直しによるメンテナンスを行う必要があることを理解しておきましょう。
トタン屋根
トタン屋根は20年〜25年を目安に葺き替え工事で、ガルバリウム鋼板に張り替えるのが一般的です。
トタン屋根もカバー工法の施工は可能ですが、既存の屋根材の下地が腐食していることが多く、葺き替え工法によるリフォームが一般的です。
屋根リフォームの費用相場
工事内容 |
施工単価 |
単位 |
概算費用 |
屋根塗装 |
¥5,600〜¥6,475 |
㎡ |
¥336000〜¥388,500 |
瓦の葺き直し |
¥10,000~¥12,000 |
㎡ |
¥600,000~¥720,000 |
カバー工法 |
¥11,550〜¥18,480 |
㎡ |
¥693,000〜¥1,108,800 |
屋根の葺き替え |
¥16,000〜¥20,000 |
㎡ |
¥960,000〜¥1,080,000 |
※屋根面積60㎡の切妻屋根の総二階の住宅を基準に概算費用を算出
※棟の長さは15mを基準に算出
※屋根の葺き替えは屋根材によって費用が変動します。 |
屋根リフォームの費用相場は、屋根塗装は30万円〜50万円、屋根カバー工法は80万円〜120万円が中心価格帯になります。
また、屋根の葺き替えは200万円前後が中心価格帯になります。
屋根リフォームの相場価格は屋根面積や施工業者によってことなるため、しっかりと適正価格を理解して臨むことが重要です。
屋根リフォームの業者の選び方
屋根リフォームは瓦工事や板金工事、雨漏り修理などを専門する、屋根修理専門業者に依頼するのが最適です。
なぜなら、自社に職人が在籍しており、自社直接施工で工事ができるため、無駄な中間マージンが発生しないからです。
屋根リフォームはハウスメーカーや大手リフォーム会社、訪問販売業者や塗装業者などさまざまな業者が対応できますが、その全てが外注施工によるものです。
実際の施工を外注に委託してしまうと、複数の下請け業者が間に入るため、中間マージンが発生します。
一方で、自社直接施工業者は、無駄な中間マージンが発生しないため、適正価格で施工を行うことができます。
このように屋根修理の専門業者に屋根リフォームを依頼することで、適正価格で高品質な屋根リフォームを実現できる可能性が高いです。
まとめ
いかがでしたか?屋根リフォームについてご理解いただけたでしょうか?
屋根リフォームは屋根材の耐用年数や劣化症状で大幅に費用が変動します。
そのため、自宅の屋根材をしっかりと理解して、優良業者に現地調査を依頼することが重要です。