スレート屋根の修理方法
スレート屋根は大きく分類して下記の3つの不具合が発生します。- スレート瓦の塗装の劣化
- スレート瓦の本体の劣化
- 棟板金の浮き・飛散
スレート瓦の塗料の劣化
スレート瓦は塗装によって防水性能を確立しています。 塗装が劣化し、スレート瓦の防水性能が低下すると屋根材が水分を吸収するようになり、屋根材が脆くなりひび割れが発生しやすくなります。また、コケやカビが発生しやすくなります。 スレート瓦の塗装の劣化症状は屋根塗装でメンテナンスを行います。 屋根塗装では塗装のメンテナンスの他に、スレート瓦の「ひび割れ(クラック)補修や棟板金の修理も行うため、スレート屋根の修理は屋根塗装が基本です。 スレート瓦の塗装は8年〜10年で劣化し、チョーキング現象と呼ばれる塗料の劣化症状が発生します。 チョーキング現象は太陽の紫外線の影響で、塗料がチョークのように粉状になって吹き出す劣化症状です。 このようにスレート瓦の塗料の劣化は屋根塗装により修理をします。スレート瓦のひび割れ・コケの発生
スレート瓦の塗装の防水性能が低下すると、屋根材がひび割れたり、反ってしまったり、スレート瓦本体が劣化します。 スレート瓦のひび割れはコーキングでひび割れ箇所を補修する部分補修で修理ができます。瓦が反ってしまった場合、スレート瓦の交換により修理ができます。 このような屋根材本体の不具合は、屋根塗装を行わなずに15年〜20年放置した状況で発生します。 スレート瓦の耐用年数は25年〜30年のため、部分補修で修理をするよりも、カバー工法で新しく屋根材を葺き替えた方が費用対効果の高いリフォームを実現できます。棟板金の浮き・飛散
スレート屋根のてっぺんの棟部分には棟板金と呼ばれる金属製のカバーが設置されています。この棟板金は釘で固定されており10年〜15年ほどで、釘が浮いてしまうようになります。 通常は屋根塗装のタイミングで棟板金の修理も行いますが、屋根塗装を行わない場合、棟板金の劣化が進行して、棟板金が浮いてしまうようになります。 このような棟板金の浮きは釘を打ちなおすことで修理ができる場合が多いです。ただし、棟板金が飛散したり、雨水が建物の内部に侵入してしまった場合、棟板金の交換により修理を行います。スレート屋根のメンテナンスサイクル
スレート屋根は10年1度を目安にメンテナンスを行います。「10年〜12年」「20年〜22年」を目安に2回の屋根塗装行い、「30年〜」でカバー工法によりガルバリウム鋼板に葺き替えるのがスレート屋根で基本となるメンテナンスサイクルです。 スレート瓦の「ひび割れの補修」や「棟板金の浮きの修理」などの修理が必要な劣化症状は屋根塗装のタイミングでセットで修理をするのが基本です。 このようにスレート屋根の修理は部分的に修理をすることもできますが、屋根塗装のタイミングでセットで行うということを理解しておきましょう。スレート屋根の修理費用の相場
修理内容 | 施工単価 | 単位 | 参考価格 |
スレート瓦のひび割れ補修 | ¥5,000〜¥5,500 | 枚 | ¥5,000〜¥5,500 |
スレート瓦の差し替え(交換) | ¥8,000〜¥9,500 | 枚 | ¥8,000〜¥9,500 |
棟板金の交換工事 | ¥5,000〜¥5,500 | m | ¥75,000〜¥82,500 |
屋根塗装 | ¥5,600〜¥6,475 | ㎡ | ¥336000〜¥388,500 |
カバー工法 | ¥11,550〜¥18,480 | ㎡ | ¥693,000〜¥1,108,800 |
※屋根面積60㎡の切妻屋根の総二階の住宅を基準に概算費用を算出 ※棟の長さは15mを基準に算出 ※カバー工法はガルバリム鋼板を使用します。 |
スレート屋根の修理業者の選び方
スレート屋根は日本もっとも普及率の高い屋根材で、瓦業者ははもちろん、塗装業者や建築建築板金業者まで様々なリフォーム業者が対応できます。 スレート屋根の修理の適正業者は屋根塗装に対応できる、「屋根修理業者」です。 スレート瓦の交換工事やひび割れ補修などの部分修理から、屋根塗装やカバー工法などの屋根リフォームまで対応することができるからです。 スレート屋根の劣化症状に応じて様々な工法に対応できるため、長期的な視点で、費用対効果の高いスレート屋根の修理を提案できるからです。 一方で、スレート瓦の屋根塗装は塗装業者の専門分野ですが、カバー工法や屋根板金の修理に対応できない業者も多く、外注施工になるケースが多いです。 外注施工になると、外注業者の利益となる、中間マージンが発生するため、修理費用が高くなります。 そのため、スレート屋根の修理を依頼する際は、屋根塗装にも対応できる屋根修理業者に依頼することで、費用対効果の高い屋根修理を実現できるためオススメです。
スレート屋根の修理は屋根修理プラスにご相談ください。スレート屋根の部分修理はもちろん、屋根塗装、カバー工法まで対応できます。施工管理も建築士の資格保有者が行うため、高品質で確実性の高い屋根修理を実現できます。
スレート屋根修理の注意点
スレート屋根の修理で知っておくべき注意点についてお伝えします。パミール屋根の不具合は葺き替えが必要
パミール屋根とは建材メーカー大手のニチハが製造・販売しているスレート系の屋根材です。1996年から2000年まで流通したスレート瓦ですが、施工後10年〜15年の間に「層間剥離」や、「ヒビ割れ」などの劣化や不具合が発生することが多く、不具合報告や劣化報告が消費者から相次ぎ問題が表面化しました。 施工後10年〜15年のスレート瓦は屋根塗装によりメンテナスを行いますが、パミールの場合、屋根材がボロボロに剥がれ落ちている状態のため、強制的にカバー工法で屋根を新しく張り替える修理が必要になります。 このようにパミールの劣化は部分補修では修理ができずに、強制的に屋根材の張り替えが必要ということを理解しておきましょう。補足
パミール屋根については「 パミール屋根の不具合と対処方法を初心者の方にも分かりやすく解説」の記事で詳しく解説しています。